理事長の挨拶
吳東亮理事長のビジョンと青写真
四つの中核軸で台湾経済を前進させる
世界情勢が不透明さを増し、気候変動リスクも深刻化する中、企業の経営レジリエンスは大きな試練に直面しています。国連のSDGs、2050年ネットゼロ排出目標、地域経済統合の進展、そして世界的なインフレ圧力を背景に、将来を見据えた戦略立案と転換の好機を的確に捉えることが、持続可能な発展の鍵になります。
中華民国工商協進会は「投資と経営環境の最適化」、「グローバルな経済貿易協力の深化」、「産業イノベーションの強化」、「持続可能で共生する未来の構築」という四つの中核軸を中心に、引き続きリーダーシップを発揮していきます。プラットフォームとしての影響力を活かし、産業界の声を代弁するとともに、企業と政府の対話を促進して、世界との接続を支援します。
会員企業が「70年を超えて、新たな里程標を共に創る」という理念のもとで歩みを共にし、台湾の再興と飛躍を共に見届けることを希望しています。
一、投資・経営環境の最適化
工商協進会は創立以来70年にわたり、台湾経済発展の重要な局面を見守り、常に企業と政府をつなぐ架け橋としての役割を果たしてきました。近年は米中の貿易や技術の摩擦、そして新型コロナウイルス感染症の影響が重なり、世界のサプライチェーン構造が変化するとともに、台湾の地政学的戦略価値が一層浮き彫りとなってきました。
工商協進会は今後も産業発展と労働政策、エネルギー転換と循環型経済、税制法規および規制措置、国際経済貿易および両岸関係といった重要課題に注力します。産業界代表やシンクタンクの専門家を招き、知見を結集して政策提言を行い、政府首長との定期的な朝食会・昼食会などを通じて施政の参考を提供します。また開放的で透明性が高く、効率的かつ安全な経営環境の構築を政府とともに支援し、国際的なハイテク産業の台湾進出を促進します。
二、グローバルな経済貿易協力の深化
工商協進会は長年にわたり、国際および両岸の経済貿易交流を推進してきました。会員企業の海外市場開拓を支援するだけでなく、「トラックⅡ外交」として政府の対外経済交渉の余地を広げ、地域経済における周縁化リスクの低減にも寄与しています。
今後も各国の主要な工商団体との協力覚書(MOU)締結を推進し、積極的なロビー活動を展開することで、政府によるCPTPP加盟交渉の早期妥結を支援します。また重要な経済パートナーとの間で貿易、租税、投資保護に関する二国間や多国間協定の締結を進め、貿易と投資に対する障壁解消を図ります。さらにWTO、RCEP、IPEFなど主要な経済貿易枠組みの動向、中国の政治経済情勢および投資環境の変化を注視し、両岸経済関係の安定化に貢献するとともに、台湾企業のグローバル展開を支援します。
三、産業イノベーションの強化
台湾は半導体およびICT産業における完結したサプライチェーン集積、5Gインフラの継続的な整備と普及、多様で豊かな文化的基盤を有しており、イノベーション経済発展の強みを備えています。そして新型コロナウイルス感染症がデジタル経済の進展をさらに加速させました。
工商協進会は政府に対してデジタル基盤への投資拡大を促し、各産業へのデジタル革新導入を支援することで、産業高度化と多様な応用開発の加速を図ります。また関連法規の見直しや規制緩和、税制・投資インセンティブの検討、情報セキュリティおよび個人情報保護の徹底、人材育成の強化など、イノベーションに優しい環境づくりを推進します。これにより技術革新やビジネスモデル革新を促進し、サービス業と製造業の分野横断的統合を通じて新経済の発展を後押しします。
四、持続可能で共生する未来の構築
気候危機に直面する中、2050年ネットゼロ排出に向けた国際的な合意が形成され、台湾もこの目標を「気候変遷因応法」に明記しました。ネットゼロへの移行は、もはや不可逆的な潮流です。
工商協進会は政府に対して低炭素インフラ整備の加速、気候関連立法の推進、企業の脱炭素化プロジェクト導入支援、低炭素や負炭素技術および新エネルギーの研究開発と応用への投資を促し、産業の気候レジリエンス向上を図ります。当会の会員構成はテクノロジー製造、金融サービス、運輸・観光、農畜・食品など多岐にわたり、政府と連携し「大が小を導く」役割を果たしていきます。
さらに気候ガバナンス、ESG、カーボンプライシング、サステナブルファイナンス、食料安全保障といった課題にも継続的に取り組み、企業および国民の参加を促進することで、産官学の協力体制を構築し、経済発展と社会環境の共生を実現する未来を目指して、地球の持続可能性に貢献していきます。